在宅に向けて多職種連携に関する研修会

 今年は、冬がまだ来ない…と思っていたら、ここ数日急に冷え込みますね。

あっという間に12月で、日々のはやさにびっくりします。

ブログにはお久しぶりになります、枝松の宇都宮です。

  今日は、先日参加した研修のご報告です。

10月19日、愛媛県看護協会の主催による”在宅に向けて多職種連携に関する研修会”が愛媛看護研修センターにて行われました。今回のテーマは「地域で看取る~本人の思いを知り、寄り添うための連携とは~」というものでした。

前半は愛媛大学大学院医学系研究科 地域医療学講座・教授 西予市立野村病院 川本 龍一 先生による講演がありました。

大変興味深いお話だったのですが、そのなかに”アドバンス・ケア・プランニング”という言葉が何度も出てきました。私は、この研修で初めて聞いた言葉でしたが、みなさんはご存じでしょうか?

既にご存じの方もいるかもしれませんが、

 

アドバンス・ケア・プランニング(ACP)とは…

患者さん本人と家族が医療従事者や介護提供者などと一緒に、現在の病気だけでなく、意思決定能力が低下する場合に備えて、あらかじめ、終末期を含めた今後の医療や介護について話し合うことや、意思決定ができなくなった時に備えて、本人に代わって意思決定をする人を決めておくプロセスを意味しているそうです。

これは、一度したら終わりではなく、体調の変化(入院の度ごとなど)に伴い繰り返し行い、その都度ごとに文章として残します。

また、ACPの過程において作られた書類はリビング・ウィルや事前指示書としても作用することで、ご本人の意思決定が尊重されます。

 

 こうした動きがあるのは、大変素晴らしいと感じました。

最期の在り方を自分で決めておくことで、自分らしさ(その人らしさ)が最期まで尊重されるなんて、とても素晴らしいことですね。

先生のお話を伺いながら、これは介護現場での看取りケアにも通ずるものだと感じました。。

グループホームで出会う利用者様には認知症がおありです。

ご本人がどうかの視点が一番大切ですが、認知症の症状やさまざまな理由から、”本当に望む看取りの在り方”がご本人から直接聞くことができなかったり、お話し頂いても本心かどうか確信が持てなかったり、真意が見えずらい…。と感じることが時としてあります。

もちろん、キーパーソンの方には、看取りに対する要望は入所時にもお伺いしますし、急変時はその都度ごとに再確認もし、ご本人・ご家族の意思に沿ったケアになるよう努めています。

より、本人の思いがくみ取れるようご家族の方に、

「ご本人がまだ認知症になられる前、どうしたいか話されたことはありますか?」と伺うのも大切なんだと気づかせてもらいました。

 

この研修の中で、後半はシンポジウムがあったのですが、

「医療と家族の間で揺れ動く看取りの現状」と題して、事例発表を致しました。

グループホームで看取り希望であったが結果的にできなかった事例を挙げました。

葛藤が実に多くあり、私自身も今後の課題だと思える内容だったので、事例発表後の意見交換で頂いたアドバイスは大変ありがたかったです。

・訪問看護との連携がこの事例では糸口になったのではないか?

・医療と介護現場の溝を埋める役目もになってもらえたのでは?

・認知症になる前の本人の事前意思は?…などなど。沢山のアドバイスを頂きました。

 

100名近い研修参加者がおられ医療、看護、介護の立場からそれぞれ違う目でみると見えてくるものはやはり違い、多職種連携の重要性を改めて感じることができました。講話も事例発表も実りの多い研修会で、参加させて頂き本当に良かったです。

初めに今回の研修会で事例発表のお話を頂いたときは、困ったな~と思った自分を反省してます…。

初めての事例発表で戸惑うこともあったのですが、ご家族様や愛媛県看護協会の皆様に温かく支えてもらいました。

何でもやってみないとわからない!これからもチャレンジを恐れずに、精進していきます。

 

寒さが本格的になってきますので、皆さん健康第一でこの冬ものりきりましょう~!

 

グループホームやわらぎやわらぎ 

宇都宮 

 

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コメント: 2
  • #1

    社長 (金曜日, 06 12月 2019 13:52)

    100名ものプロの前で事例発表したのは素晴らしい!!
    忙しいだろうが、次回事例発表の具体的内容と、会場から頂いたアドバイスなどの具体的な内容を説明してもらうと、
    皆の参考なると思うのでよろしく。
    何回かに分けてもらってもオ-ケ-。

  • #2

    宇都宮 (金曜日, 06 12月 2019 16:37)

    久しぶりの大緊張でした~。看護協会さん主催ということで、看護関係の方が非常に多く参加されていました。畑違いなんじゃないかと心配でしたが、協会の関係者様が運営推進会議に来て下さったとき、「介護現場(グループホーム)での葛藤が見え、看護ではない視点での事例発表で大変勉強になり、ありがとうございました。」と、言って頂きました。微力ながらお役に立てて、ほっとしています。
    では次回のブログでは、事例発表の内容を詳しくお伝えしますね。